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ザ・職人

The Specialist

三栄書房GENROQより

吉田哲朗さん

ドレスアップが大人気の現在、機能よりも格好を考えるユーザーが増えている。

中でもホイールは人気だがボデイと路面とをつないでいて

走行に多大な影響を与える。

製造する からには性能が低下するようなパーツは造れない。

最高の素材に純正品を組み合わせた「万全」と

精密機械を意のままに操る製作技術

 

大量生産用の工作機械でl台分ずつ受注生産する

 ショップ外壁の看板は「アルミホイール修理・再生ワイドトレッドスペーサー

PCD変換アダプター製作」という文字の方が、店の名前よりも大きく目立っている。

決して広くない店内に入ってみると、何台もの工作機械が設置されていて、

小さな町工場のようにも見えて、一般カーショップではないイメージに興味をそそられる。

吉田興産の主業務は、ホイール加工とスペーサーPCD変換アダプターの製作である。

 スペーサーは、オフセットが合わないホイールの「ツライチ」装着を可能にしたり

ワイドフェンダーにした時に役に立つパーツだが、特に珍しい物ではない。

しかし、市販されているスぺーサーのほとんどはアルミまたはジュラルミン製だ。

ホイールは高速で回転していながら、

1本につき4〜5本のボルトまたはナットで止まっているだけである。

間に挟むだけの簿いスペーサーならいいが、厚さが増すと、強度的な問題が発生する。

ボルトがハブから出ている輸入車に厚いスペーサーを使用する場合は、

まずハブにスペーサーを固定し、スペーサーに打ち込んだボルトでホイールを固定する。

つまり、スペーサー自体に高い強度が要求されるのだ。

吉田さんは、スペーサーを製作するにあたって、機械構造用炭素鋼S45Cを素材として使用する。

炭素鋼は炭素(カーボン)を含んでいる分、高い強度が確保できる。

さらにボルトは純正品を使用して、万全を期している。

炭素鋼は、炭素の含有率によって分類され、中でも炭素を0.45%含んでいるS45Cは、

一流工具メーカーでもソケット(コマ)にしか使っていないという高強度を誇る素材だ。

そのS45Cの穴開けには、コンピューター制御の機械を使用する。

1000分のloの加工精度が可能なこのマシンを、吉田さんは、

自身が打ち込んだプログラムによって、意のままに操っているのだ。

ちなみにこのマシンを単に動かすだけのプログラミングでも、

業者に頼むと10万円くらいかかってしまうという。

 吉田興産では、l台ずつ受注してから製作しているので、

通常のカタログサイズがなくても、同じ価格でl台分からオーダーできる。

そして、強度が必要なパーツだから、素材にとことんこだわる。

それが、吉田さんのやり方なのだ。

 

 

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